ビタミンの効用とは?? A

・・・現在でも脚気(かっけ)は存在する病気・・・
 
 栄養過多といわれる今の日本で、ビタミン欠乏症なんてあるのか?
と思われますが、
たとえば
ビタミンB1の不足で起こる欠乏症の話をしましょう。

 
B1が不足すると脚気という病気になります。
日本では奈良時代に発生し、平安時代には上流階級に流行。
白米食の普及とともに、江戸時代には庶民にまで発症し、
江戸患いと呼ばれ、衝心脚気になると数日で死亡する
ことから“三日坊主”として恐れられていました。

      明治になっても原因究明に至らず、伝染病や中毒説が
      有力の中、明治・大正時代には3万人もの人が亡くなり、
      結核と並ぶ2大国民病と言われていたのです。

その後、ビタミンB1の欠乏によるものとわかり、
B1製剤もでき、脚気は克服できたものと思えた。

      ところが昭和49年ごろから、若年男子を中心に
      下肢浮腫を伴う、多発性神経炎が多数報告されたのです。
      初めは脚気だとは気付かずにウイルス感染などによる
      新しい疾患ではないかと考えられた。

しかし、これが脚気であることが判明し、また注目が集まることと
なったのです。


・・・進行すると怖い脚気の症状・・・


 脚気の初期の症状は倦怠感くらいですが、
そのうち食欲不振、肩こり、頭重、めまい、下肢のしびれ感、息切れ、
動悸など多彩な症状を訴えます。
これを
脚気様愁訴といいます。

     それが進むと、末梢神経がやられて歩けなくなったり、
     心臓にきて心不全に。
     心不全が高度になると浮腫が出現し、
     衝心脚気になるとショック状態になり、
     死に至ることもあります。

 またウェルニッケ脳症と呼ばれる中枢神経の障害を
引き起こすこともあります。
代表的なのが眼球運動障害で目が動かなくなったり、
まっすぐに歩けなくなる症状です。

コルサコフ症候群と呼ばれる神経症状を伴うことも。
これは健忘や作り話をするようになるものです。

こうした脚気の症状を発症するケースは、
飲酒の習慣があり、
食事をきちんと摂らなかったり、
インスタント食品などで済ませている人
がほとんどでした。

 脚気ではありませんが、同じ飲酒の習慣からくるビタミン欠乏症で、
ナイアシンが不足することで起こるペラグラという病気もあります。
特有の皮膚炎をおこしたり、痴呆、幻覚、幻聴を訴えたり、下痢
などの症状がでて、最後は死に至る怖い病気です。
   




《各種ビタミンの欠乏症と欠乏症状》
ビタミンA 夜盲症   (皮膚乾燥、視力低下)
ビタミンD くる病   (骨軟化症)
ビタミンE 溶血性貧血 (不妊)
ビタミンB1 脚気 ウェルニッケ脳症
     
(疲労感、倦怠感、食欲不振、神経症状)
ビタミンB2 成長障害  (口内炎、口唇炎、皮膚炎)
ナイアシン ペラグラ  (皮膚炎、食欲不振)
ビタミンB6 成長障害  (食欲不振、皮膚炎、貧血)
パントテン酸 成長障害 (悪心、嘔吐、めまい、筋肉痛)
ビタミンC 壊血病  (色素沈着、出血)

                                   
                                   「元気生活 bP07」より引用

 こんな食生活を続けていると、
        ビタミン欠乏症の引き金に…